7年目の誘惑(32)

 「香織さん・・・済まない。・・・これを・・」
 一郎が差し出したのは2種類の錠剤だった。
 「モーニング・アフターピル。・・・72時間以内に2錠飲んで、その12時間後に2錠飲む・・・緊急避妊ピル・・・早智子がレディースクリニックで処方して貰って置いたものだけど・・・それと・・副作用が強いから・・・吐き気止め・・だそうだ。」
 『・・・それを飲めば、妊娠しないんですね。』
 すがる思いで香織が尋ねる。
 「絶対に、とは言えない。・・・75%位の確率・・・」
 『・・・それでも・・・下さい。』
 香織は祈る。
 これで妊娠しなくて済むとしても、香織は自分が以前の自分と変わってしまったことを今では感じていた。
 子宮に精を浴びた瞬間を覚えてはいないが、何かが根本的に変わったと感じた。
 夫への罪悪感で一杯であったが、同時に男の精を受精する悦びを子宮が望んでいることにも気付く。
 それが一郎の精だからそう思うのか、抱かれた男の精なら良いのか?香織には判断が付かなかったが、少なくとも今の香織は一郎の精を受けた事に嫌悪は感じては居なかった。
 さっきあれほど泣きじゃくったのに・・・自分でもおかしいと思う。妊娠の危険性が低くなったからなのか?・・・そうだとしたら現金なものだ。
 以前の自分なら絶対許さないだろう。
 しかい、今はもう汚れたカラダだもの・・・と言う諦念も浮かぶ。
 いや、どうせならもう一回子宮に飛沫が欲しいとさえ思ってしまう。
 確実に変化した心の動きを、香織は背徳の甘い疼きと感じた。
 『・・・ね、一郎さん。・・・もう、こうなってしまったら覚悟しています。』
 一郎は香織の心の変化に気付く筈も無く、妊娠を覚悟したのだと思った。
 どう責任を取ろうか考えている一郎に。
 『だから・・・もう一度抱いて下さい。・・・また、中に出して下さい。』
 と言われビックリした。
 その後2度香織の中に放出した一郎はぐったりと疲れた体をベッドへ横たえた。
 その傍らで、一郎にピッタリと寄り添いながら眠る香織の顔は、微笑を浮かべていた。


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写真は・・・・いけないんだぁ

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