クロウエア・エクサラダ【23】

 『ハァハァハァ、あなた・・たすけて。』
 低周波治療器の電源が切れ、乳房の痛みも治まりつつある。
 香織は健一に助けを求めるが、健一の電話はまだ終わらない。
 上半身の痛みに紛れ、下半身の悦楽から逃れていた香織に、次々に悦虐の波が襲い掛かる。
 不意に動けない脚がシーツからほんの僅か持ち上がり、突っ張る。そして弛緩した。
 香織の肛門部は麻縄の瘤が食い込み菊門を犯そうとしている。その上方では電マが香織の女
を揺さぶっている。
 電マから伸びるコードを恨めし気に見やった香織だが、淫核を襲う痺れに絶頂を極めさせられる。
 規則正しい振動、機械的なその振動が香織を狂わせる。
 暖かみの無い動き、その器具への恐怖が、香織の矜持を奪い去っていく。
 『あぁぁぁぁああああ、いいいいいい、やああああああ』
 『ひぃぃぃぃぃぃぃ、ぁぁぁぁぁあああ、ぅぅうううう、ぁがぁがぁがぐぐぐぅ』
 もはや意味を成さない言葉だけが空しく響く。
 香織の意識は混濁し、自分がどこに居るのか、誰と居るのか、今なにをされているのか
 どうして自分は耐えていたのか、何もかもどうでも良い事のように、抜け落ちていく。
 香織を支配しているのは肉体に与えられる快楽を貪る事、ひたすら貪りつくす事しか無い。
 『あん、あんあんんん。イイ、イイ、イイ、イイ、いいいいいい』
 『ひっひっひっぃいいいい。いくいくいくいくいぐぅ・』
 香織の姿を傍から見れば、機械の虜になり下がったと見えるだろう。
 ただ香織の目から流れる一条の涙がそれを微かに否定していた。
 別室で香織の様子を、痛ましげに窺いながら、健一の長い待機は終わりを告げていた。
 健一は香織の傍らに立ち、顔にへばり付いている、乱れた髪の毛を優しく整えながら口を開いた。
 【さあ、話してごらん。】

 香織は、健一の顔を見られず顔を背ける。
 健一は電マスイッチを切り、拘束していた麻縄を解こうとした。
 汗に濡れた麻縄は容易に解けそうも無く硬く固縛されている。健一はバッグから大型のカッター
ナイフを取り出し、香織を傷付けないように、縄を切り出した。
縛られた跡は鬱血し、紅い疵を香織に焼き付ける。
 香織は痛む手首を擦り、足首、太股、腰、乳房と順番に擦り血の巡りを良くしようとした。
 最後にヒリヒリする肛門と、紅く充血し伸びきった花弁と、香織の小指の先くらいに膨れ上がった
クリトリスにそっと触り、状態を確かめた。
 余りに淫らに代わった自分の性器に戦き、涙する。
 よろよろと、ベッドの上で正座をする香織。
 決して健一と目を合わせず俯いている。
 しばしの沈黙、香織も、健一さえ何も喋らない。
 重苦しい空気に耐え切れず、香織はまた泣いた。
 手放しで泣くのではなく、搾り出すような嗚咽。
 やがて、身動ぎした香織は、頤を上げ健一の目を正面から見た。
 ただ一点健一の目を見据え話始める。
 『あなた・・・健一さん。お話しする前に一つだけ言わせて下さい。私は・・あなたをずっと愛して
いました、そして今もあなたを愛しています、これだけは信じてください。』
 『・・赴任した日、私は思いがけない人と・・鈴木さんと会社の入っているこのビルで、再会しま
した。
 あなたに直ぐにお話すれば良かったと今では思っていますが、あの時は、二度と会わないよう
に連絡先を破棄しあった人と、再会した等と、あなたに話してよいことなのかどうか悩み結局その
まま黙ってしまいました。

 そして・・・そうです、あなたがお疑いの通りです。私は・・鈴木さんと身体の関係になってしまい
ました。』
 『寂しかったんです。一人で毎日毎日残業し誰も居ない部屋に帰る。一人で食事し、一人で眠
る。絶えられなくてあなたに夜中電話しました。でもあなたは留守でした。
 社の歓迎会の隣で鈴木さんも歓迎会をされていて、少しお話したんです。鈴木さんも単身赴任
で私と同じ様な期間赴任される事が分かって、偶然に驚き、知らない間柄でもなかったので、二
人で食事をする事に。・・・鈴木さん、一郎さんも慣れない単身赴任で食事が大変だろうと、別の
日に夕食を誘いました。一郎さんの社宅が偶然にも同じマンションだったので、お酒を用意し・・
気がついたら私から一郎さんに抱きついていました。』
 夫は一言も口を挟みません。それがかえって夫の怒りを物語っているようで、怖かったが、止
める訳に行かず続けた。
 『あなたに申し訳ないと、思いながらも寂しさと身体の欲求に・・負けて抱かれ続けてしまいま
した。もう止めなくてはといつも思っていました。何よりあなたを裏切っている事に胸が痛みまし
た。でも・・正直に言います。あなたへの愛とは違いますが、一郎さんの事も愛してしまい
ました。』
 『早智子さんが妊娠されたとこの間聞かされ、今度こそ本当に別れようとしました。あなたが
来る事を私本当に嬉しいんです。でも同時にあなたに、いつか気付かれると言う恐怖に襲われ
ています。知られれば離婚される。仕出かしたことを考えれば当然です。でもあなたと別れたく
ない私が居ます。だから、黙っていようと思いました。でも、悪い事は出来ないのですね。』
 話し終えた香織は哀しみより、むしろさっぱりした顔を健一に向けていた。
【で、香織はどうしたいのだ。】
 思った以上に冷静な夫の対応。殴られ罵られる、そう覚悟していたのに・・夫は私の事等もう
どうでも良いのか?怒る価値も無い女と思われているのだろうか?
 幾ら愛していると言っても、自分の妻が内緒で他の男に抱かれていたと聞かされれば、愛も
醒めるのかもしれない。自分で撒いた種、仕方がないと・・涙は止まらない。
 『私から申し上げる事は・・あなたが決めて下さい。何でも従います。』
 泣いて縋るのは夫を困らせるだけだろう。別れたくは無い、許して貰いたい。
 でも、それは私から言ってはならない。二重に夫を苦しめるだけ。
 (いや、いや、許して、別れないで、もう一度愛して、香織を許して。)


クロウエア・エクサラダ【24】PageTop体調が少し良いので、投稿します。

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