【ドルチェ・アマービレ】(3)

 教授と私の関係は公に出来ない関係になったが、実はアレから何の進展も無い。
 相変わらず大学での講義と教授の自宅でのレッスンは続けられたが、教授は1度もこの間の
ような、イヤらしい真似はしない・・どころか以前より指導が厳しくなった。ピアノレッスンも声楽の
レッスンも一切の妥協を許して貰えず、課題を完全にマスターするまで何回でも同じレッスンを
行うようになった。今までなら多少目を瞑ってくれるミスも容赦なく指摘されてしまう。
 今日は午前中に声楽のレッスンがあった。声は午前中のほうが疲労が少なくて鳴りがいいと
言われているらしいのだけれど、朝の寝起きの悪い私は、早朝練習がなかなか出来ない。
 練習の前は最低10分は軽い発声練習を行うようにしている。はじめは囁き声くらい、中くらいの
音程で慎重に声帯を鳴らしてから、少しずつ音量を大きく、音域を広く発声してみる。それで「どう
も今日は声がのらない」と感じた場合は、思い切って練習を止めてしまいなさいと、教授に言われ
ている。
 水分補給についても、1日の摂取量1.5~2.0リットル程度を毎日取る習慣を義務付けられた。
これまでは、水分補給にペットボトルのお茶も平気で飲んでいたが、コップに注いで光に当てる
と濁って見えるものは経験上良くないと教授が言われるため本番前は控えるようになった。
 その他にも、本番前の食事でトロッとしたソース系をからめて食べるもの。例えば「お好み焼き」
「タコ焼き」「焼そば」「ハンバーガー」はソースのトロミや粘々が声帯にからむので教授には止め
た方がよいと言われている。
 聞いたことも歌ったこともない歌を初めて練習で歌ってみるときは、得意な歌の発声法もまるで
通用しないことを意識するべきだ。とも言われる。
個人差があるから一概に「喉スプレーは発声上声帯にあまりよろしくない」とは言えないが教授
の場合は喉スプレーを使ってダメだった。使うと翌日以降必ず声のコンディションが悪くなる。声
帯が余計に腫れたような状態となり正しい発声の練習に差し障りが出ることがあった。何度も経
験しているので、よほどのことがない限りは喉スプレーなどは使わないことを勧められる。
 また教授は以前、衣服が汗で少しぬれたとき、消臭と滅菌の意味を含めて、服を着たままファブ
リーズを軽く吹き付けたことがあり、この薬品の蒸発ガスを日中吸っていると声帯に触れ、声帯を
荒らしてしまうことがあったそうで、4日間、声が荒れっぱなしでまともに発声ができなくなった。
 などなど、日常の生活の細かいことまで指導されていた。
 【綾歌君、譜面台の後ろに来てくれたまえ.】
 あと少しで今日のレッスンが終了すると言う時に教授が声を呼び掛ける。
 教授はピアノから離れ防音ドアの前に背中を向けて立った。
防音硝子は教授の背中にその殆どが隠れてしまう。
【綾歌君、その場で下着姿になりなさい。】
 『教授・・いきなり下着だなんて・・誰かに見られます。』
 私は顔を赤らめながら、やんわりと拒絶する。とうとう始まった。
【さあ、時間が無い早くしたまえ。】
有無を言わせぬ言い方、でも不思議と囁くように小さい声だった。それなのにずっと耳に付いて
離れない。
 【さあ、綾歌君。】
 教授の言葉は逆らい難い、私はノロノロとブラウスのボタンを一つづつ外していく。
 ボタンは外したが、ブラウスを脱ぐのは躊躇ってしまう。
 教授が手拍子を始める。
 【アニマート。】
 教授ぅ・・元気に動いてって・・・無理です。恥ずかしくって。
 【ヴィヴァーチェ・・・ヴィーヴォ!】
 そんなぁ・・活発に、活発に・・ああ~どうしよう。 こんな使い方有るの?
 負けた。
 教授の拍と速度記号の読み上げに私は負けた。
 胸と股間を手で蔽い隠しながら、下着姿になった。
 【クルッと回って・・・・メノ・モッソ・・・レント】
 あ~ん、もう教授・・・それまでより遅く・・のろく?
 後姿が教授の目に曝された。
 お尻が見えてしまう。大きいお尻が悩みの種の私は、小さい胸を見られるよりも恥ずかしい。
 【そのまま。綾歌君、ブラジャーのホックをはずして。】
 ここまでしていたから、言う通りにする。
 【ふむ。・・・綾歌くんの下着は全てこう言う物かね?】
 そうですよ、教授。大人しいデザインと色の物しか持っていないですよ。がっかりなさったの?
【出掛ける、綾歌君も来なさい。服を着て。】
やっぱり教授、がっかりしたんだわ。興が削がれたのね。
 恥ずかしくて嫌なはずなのに、教授に無視されると、なぜか悔しい。
 トボトボと教授の後について街を歩く。
 ここら辺は高級店が多い通りだ。
 【綾歌君、ここだ。】
 そこは・・・女性下着専門店。しかも高級・・なぜ?
 教授がオーナーらしき女性に何か耳打ちする。
 フィッティングルームに連れて行かれ、採寸される。次々に運び込まれる下着類に圧倒される。
 大人の女性が付ける下着で、学生には手が届かない値段の物ばかり。
 あれよあれよと言う間に、目の前に包装された箱が置かれた。
 【これで良い。いくらだね?】
 きょ、教授・・ゼロの桁多くないですか?・・出ましょうよ。言いかけて止めた。
ッ領収書が渡され教授が箱を持ってドアの所で振り向いていた。
【さあ、綾歌君帰るよ。今から自宅レッスンだ。】
強引な教授に逆らえない。
テーブルにはコーヒーとケーキがサーブされている。
【教授?レッスン前に飲んだり食べたりするのは・・】
【今日は特別です。さ、食べなさい。】
美味しい、シフォンケーキ。
【では今日の特別レッスン。】
私は一気に緊張した。特別レッスン・・別名、アダルトレッスン。私はエッチレッスンと名付けている。
 【その箱を開けて。】
 この箱は・・下着の箱ですよ、教授。
 【さあ、今まで君が持っている下着は全部捨てなさい。これを付けること。足りなければまた注文
しなさい。】
 教授?あれですか?男が女の下着に口出しするのは、お前は俺好みの下着を穿けという、事
ですか?
 【綾歌君、君は下着のサイズを間違っていた。脇から背中のブラの跡、多分胸の方もそうだね。】
 はい、よくお判りで・・ワイヤーの跡が赤く食い込んだ跡が有ります。
 【胸を締め付けるのは良くない。横隔膜の動きを阻害する。発声が弱いのはそのせいも有る。】
 【これで少しは楽に発声出来るだろう。】
 『教授・・エッチ・・アダルトレッスンじゃないんですか?・・・覚悟していたのに・・』
 【おや?綾歌君。期待していたのかな?】
 ばかばかばか・・私はそんなエッチな子じゃ有りません。
 【任せておきなさい。きっと君を淫乱にして清楚、可憐にして妖艶な女性に変えてあげる。ふむ?
期待していたなら、フルートをレッスンするか?】
 『ふ、フルートですか?・・・・え?・・・あっ、いやぁ・・』
 教授がズボンのチャックを下している。
 そっちですか・・・私したこと無いのに・・・・・・・・・・・・2回しか。
 『出来ません。』
 【あん?どうした?・・・着替えるだけだけど。綾歌君・・・スケベ!】
 う~~~~教授ぅ・・・言葉で苛めるんだもの。私は夕日より顔が赤くなった。


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