【ドルチェ・アマービレ】(5)

 「綾歌くん昨日はゴメン。あれから急いで教授の部屋に戻ったんだけど、二人とも居なくなっていたけど、家に送って貰ったの?」
 千夏先輩が声を掛けてくれた。
 『ごめんなさい先輩。もしかして・・』
 「少し待っていたんだ。あ、いや僕が勝手に待っていただけだから気にしないで。」
 (ごめんなさい先輩、あの後・・私教授と・・千夏先輩が待っていてくれたのなら、残れば良かったかな?・・・)でも、昨夜は楽しかった。初めての経験で・・・)

 【アペリティーヴォはアスティ・スプマンティ。綾歌君にはアルコール分が少ないものを。アンティパストは・・トマトのシャーベット。プリモ・ピアットは・・軽めにカレイとアサリのアクアパッツアにしよう。セコンド・ピアットはギアナ牛のステーキ。コントルノはやっぱりイタリアンサラダ・・ドルチェだけど、綾歌君にはプロフィトロールを、私にはティラミス。カッフェはエスプレッソ、ディジェスティーヴォはそうだなぁグラッパだな・・途中は料理に合わせてシェフに任せるよ。】
 教授がてきぱきと料理を注文している。
 私も知識としては知っているが、まだ食べた事が無いと思う料理や飲み物。
 最初にサーブされたのが食前酒、アスティ・スプマンティ・・発砲ワインの一つでちょっと黄色かかった透明なお酒、特に教授が私に選んでくれたのは、アルコール分が少ないもの、『アマービレ』ともいう。本当は昼食に飲むものらしいが、教授は拘らなくても良い、うまくチョイス出来れば料理が引き立つとの考えがあるらしい。
 非常に薄い金色、輝くような透明で泡は繊細で持続性がある。上品で繊細なモスカートの特徴的な香りがする。
 と言うのは教授の受け売りで、モスカートはブドウのマスカットの一種でムスクの臭いが有る事からこう付けられたと仰る。
 ひと口飲んでみる、
 『繊細な甘さと芳醇な香りがする。』・・・と口に出して言ってみた。少し大人な気分に浸るが、教授がクスッと笑ったのを目の端に留め、顔が赤くなってしまった。
 前菜はトマトのシャーネット。うん、冷たくておいしい。
 第一主菜はアクアパッツア、アクアパッツアは魚介類(白身魚と貝類)をトマトやオリーブなどとともに水で煮込んだ料理の事で今夜はカレイとアサリ・・アサリはイタリア料理に良く使われるらしい。
 私的には酒蒸しが好きだけど。
 第二主菜はフィレンツェの名物の一つで意外とヘルシーなお肉でとても美味しい。キャンティが良く合う。
 付けあわせがイタリアンサラダだけど、主菜と一緒に盛られているのではなく、イタリアでは別の料理として独立した物と考えているらしい。でも、最近の若いイタリア人はそれに拘らないでワンプレートで食べる場合も有るらしい。
 いすれにしても、サラダ菜、クルミ、ペコリーノチーズ(羊のミルクで作るチーズ)、はちみつのハ~モニ~が絶妙で大満足。
 ペコリーノチーズを食べる時、クルミなどのナッツ類とはちみつをトロ~ッとかけて食べるのが定番らしい。
 教授が軽めの料理を注文してくれたお陰で、残さず食べられる。スープの変わりにパスタが注文されていたら、それだけでお腹一杯で今頃お腹抱えて、ウンウンうなっていたと思う。
 デザートは教授が別々の物を注文してくれたので2倍楽しめた。甘い物は別腹、別腹と心の中で唱え、明日は大学から教授の家まで走ってレッスンに行く事を誓い、美味しく頂いた❤
 ティラミスは日本でも有名だから説明不用だよね。(・・・誰に対しての説明?)
 じゃあ、プロフィトロールについて・・プロフィトロールは小さいシューを積み重ねて、チョコレートソースをたっぷりと上からかけたイタリア全土 でみかける人気のあるドルチェです。以上協の受け売り。
 エスプレッソも本当はカップチーノが欲しかったけれど、ミルクが入った物を頼むと、「私は満腹じゃない。」と言う意味に取られるので避けるように、教えて頂いた。
 私は夢見心地だった。
 だって今までファミレス以外で食べた事ないし、お酒を飲みながら食事する習慣も持っていなかったので、雰囲気とお酒に酔ってしまった。
 カチャン・・コトン!
 テーブルの下に落としてしまった。
 周りの人がこちらを見ている、注目を集めてしまう。
 恥ずかしいからか、お酒のせいか、頬が真っ赤だ。おまけにコンタクトレンズも一緒に。
 お店の人が飛んできたが、教授がコンタクトは自分が探すからと断り、テーブルの下に潜り込んだ。
 【綾歌君、脚て踏んだら大変だから、そのまま座って動かないで。】
 みんなに聞こえるような声だったので、突然潜り込んだ教授の行動を訝しげに窺っていた人も、興味を無くしたのかそれぞれのパートナーと話し始め、もう誰も、店の人も見ていない。
 『ぁっ。』小さな声を上げてしまった。幸い誰も聴いていない見ていない。
 『ぁぁ教授・・ダメ。ヤメテ。』
 コンタクトを探している筈の教授が、私の足首を触ってきた。
 拒絶の声が出せない。
 周囲に知られたくない。恥ずかしい。ヤメテ。色々な事が頭を巡る。
 まさか?と言う気持ちが大きい。
 こんな場所でアダルトレッスン?人が居るのに・・
 教授は構わず脹脛、膝頭と手のひらを滑らせる。
 『ぁん。』小さく喘いでしまう。大きな手、ちょっと乾燥した、冷たい手の感触が徐々にしたから上へ登ってくる。
 (ああ、だめよ・・教授。・・・ここじゃダメです。・・あん・ああ・・)
 スカートの上を彷徨っていた教授の手がスカートの中へ入って来た。パンスト越でも、さっきとはまるで違う感触が私をおかしな感覚に追い込む。
 テーブルの上では、周囲に気取られぬよう、そ知らぬ顔をした私が居る。
 テーブルの下では、教授のイヤラシイ手付きに震える私が居た。
 (だめ・・気が付かれる。・・教授・・あぁ・・それは・・ダメェ・・)
 教授の両手が、左右の脚の膝頭を掴み、左右に割裂こうと力が入れられる。
 (あぁ・・だめぇ・・見えちゃう・・教授ぅ・・・ショーツを見ちゃイヤァ・・)
 強引で、閉じようとした私の力も及ばずに左右の膝が開いていく。
 パンスト越にこの間教授にプレゼントされたショーツが晒される。
 薄い紫でレースの刺繍が施されて居るもの。ちょっと大人の女性に思える、お気に入りの下着が今や完全に教授の目に写っている。
 テーブルの下でなにが行われているのか知らない人々、知られてはイケナイ、と思うのに、何故か知られたらどうなるのか?と考えている私が居る。
 イヤラシイ事をされても声を上げず、悦んでいるのよあの子。と言う声が聞こえた気がした。
 (あぁ・・・違います。私、悦んでなんか居ません。教授が・・・)
 だったら何故?助けを求めないの。二人で楽しんでいるのでしょう?
 (そんな・・楽しんで・・ないわ。ただ恥ずかしいだけです。)
 本当かしら、今あなた。ショーツが汚れていないかとか、匂いがしないかとか考えてるでしょう?
 (ああぁあ・・言わないで・・・違うもん。・・・)
 教授が鼻を鳴らす音が聞こえた。
 (イヤァ・・嗅がないで・・恥ずかしい・・)
 私の女が発する淫らな匂いがしているのでは?恥ずかしい想像をしてしまう。
 教授の息が股間に掛かる。
 『あっふぅ~ん』思わず甘いため息を吐く。
 教授の息がくすぐったい。
 大きく割り裂かれた足の付け根。その一番奥の敏感な所に教授が唇を押し付ける。
 ショーツの船底・・二重になったクロッチを唇全体で覆われる、そして私の敏感な所を舌で刺激し始める。
 思わず膝を閉じる。教授の頭が内股に挟まれ、余計に股間に引き込むような形になってしまった。
 『くぅぅん・・はぁ・・』
 周りの人がチラリと私を見る。
 教授の舌は相変わらずショーツの上から私の敏感な所・・刺激で尖り出している。クリトリスに集中している。
 (あぁ・・・わたし・・・なんてはしたない事をされているの・・声が出ちゃう。ああ。もうダメ・・本当に声が出ちゃう。・・・あぁ・・ねえ、わたし今教授にアソコ舐められているの、判る?気持イイの・・あぁ・・ねえ淫らな事をしている私を見て・・・あぁ見られていると感じるの・・綾歌もうダメ。)
 頭の中の私が、わたしの意思に反して、淫らな想いを告白する。イヤラシイ姿を見られたい。見て・・。そんな!今のは私じゃない。わたし・・そんな事思っても居ない・・あぁあ、教授・・もう、もう、ヤメテ・・
v【綾歌君、綾歌君。】
 ずっと自分の頭の中の綾歌と会話していたので気付くのが遅れた。
 教授の手の平にはコンタクトレンズが乗っていた。しかし、レンズの端が切れていて使い物にならなくなっている。
 さっきのは夢だったのだろうか?
 スカートも元通りになっている。
 持っていたバックを確かめると予備のコンタクトが有った。それを手にして教授に断って洗面所へ向かう。
 鏡を見ながらレンズを入れ、トイレの個室に入る。
 何となく不快だった下着を確かめる。やっぱり・・・ショーツはグッショリ濡れている。ショーツの中に手を入れ確かめる。
 ショーツの表面よりすごい事になっている。分泌された液がベットリ張り付いている。トイレットペーパーでアソコを拭き、そのままショーツを上げようとした。
 しかし、濡れたままの下着を付ける気にならず暫し考える。
 『え~い、思い切って。』
 そう掛け声をかけ、パンストとショーツを脱いでしまう。
 脱いでしまうと、何だか心許ない。自分が急に女になった気分。どう表現したらいいのだろうか?
 下着1枚でこんなにも違うものだろうか?
 ふと思いついて時計を見る。目を疑った、コンタクトを落としてから、僅か5分程度しか過ぎていない、
 (そんな・・だって教授・・随分長い時間悪戯されていた。そんな・・違うの?まさか、私の妄想?・・・こんなイヤラシイお汁・・妄想で溢れたの?)
 長くいると怪しまれるので仕方が無く戻る。
 教授の顔をまともに見られない。
 そっと下から窺うと、何事も無かった様子でオーナーと話をしている。
 おかしい・・やっぱり私の妄想?・・・今日のあの事故で教授とキスを交わしてしまった。あれが・・・私を変えたの?
 【綾歌君大丈夫かな?顔色が紅いよ。】
 私は益々顔を赤らめてしまう。
 恥ずかしさと切なさが喉にヒリヒリした感覚を与える。
喉のヒリヒリを押さえる為目の前にあったグラッパを一気に煽った。
 カァツーと体が熱くなる。
 【綾歌君、それ・・アルコール分45度もある・・】
 これで2度目。教授の目の前で失態を起こしてしまった。
 なんだかとても申し訳ない気持と、教授にドジな所を知られた恥ずかしさで切なくなる。
 周りの人に、教授がこんなにドジな子をエスコートしていると思われるのが、教授に恥をかかせてしまう事たと言う思いに哀しくなる。
 【綾歌君、ここは熱いよね。外で風に当たろう。】
 教授は熱気のせいにして、私を庇ってくれている様に思えて、また上気する。
 どうしてだろう?教授を意識しすぎる。教授の言葉に一々反応してしまう。
 『キャァ・・』
 通りを走ってきた自転車をよけようとして、尻餅をつく。
 教授がまじまじと私を見る。
 私は捲くれたスカートを治そうとして、はっとなった。
 そうだ!ショーツを脱いでいたのを忘れていた。M字に開いていた脚を素早く閉じたが遅かった。
 しっかり見られていた。モジモジし俯いている私を、屈み込んだ教授はそっと肩を抱き抱え上げてくれた。そして下半身が裸だと言う事には触れずに。
 【綾歌君・・どうだった?イタリアの田舎料理・・ごく普通の風景を思い描けたかな?この食事を堪能し、イタリアに触れてくれれば、今日のレッスンは終了だよ。多分今は判らなくても、これから綾歌君には私と時々一緒に食事をしてもらうから、追々イタリアの心が掴めると思う。それがその地で育まれた音楽を理解する早道だと私は思う。演奏記号がどうのこうの、発声法がどうのこうの、確かにそれも重要だけど、もっと大切な物がある。それが心だ。音楽する心・・・それを知るのは難しいかもしれない、生まれ育った環境が違うのだから、でも近付く事は出来る。それが・・食事だよ。自論だから他の教授連中には内緒だ。いいね綾歌君二人だけの秘密だよ。そうだ、今の内にパスポートを取って置きなさい。機会が有ればイタリアに行こう。】
 教授は一気に喋ってそして黙って私の手を引いて家路に付いた。

私の家の前で教授が私に近づき耳元で囁く。
 【綾歌君、君にああ言う趣味が有るとは・・そうだ、明日のレッスンは、ノーパンでおいで、良いね。】
 『な、そんな、趣味も有りませんし、ノーパンで行くわけありません、絶対に。』
 そのまま教授は微笑むと踵を返し闇の中に消えて行く。
 その時教授の背中に羽が生えているのが見えた気がした。天使の羽の形・・それは闇に溶け込み色が判らない。
 瞬きして良く見ようとしたが、そんな羽生えている訳なかった。目の錯覚だった。
 色々あってお風呂に入るとすぐに眠りについた。
 夢の中で私は教授の前に立っている。取り立てて変ったところの無い普通の私。
 その私がスカートに手を掛けてゆっくりと裾をたくしあげて行く。もうこれ以上上げたらショーツが見える位置・・ダメ綾歌。私は叫ぶ、夢の中で。
 綾歌はそのままさらに上げて行く、・・ない?・・・有るべきショーツが無い。そこには淡い陰りと慎ましやかな亀裂が貌を覗かせていた。
 
ハッと飛び起きた。ああ夢?・・寝汗をシャワーで落しサッパリする。いけない遅刻してしまう。
 朝食もグレープフルーツを食べて終わりにし、急いで着替える。
 いつものようにおとなしい格好、ブラウスには大きめのリボン飾りが付いていた。スカートはちょっとタイトなものを選んだ…これはいつもと違う。いつもはもっとフレアーが大きいものを穿く。
 鏡の中の自分と目が合う、鏡の中の綾歌がキッパリ頷く。

 『ごめんなさい、千夏先輩。急いでいますので、後で。』
 後ろ髪を引かれるような気持だったけど、今この人通りの多い場所で立ち話をする気にはなれない。
 何故なら・・・私はショーツを穿いていなかった。教授の云い付けを実行していた。
 (どうして私はこんな事をしてしまったのだろう。夢を現実にしたい、その想いが私を支配していた。小さな大冒険、教授と私だけの秘密・・あぁ・・教授・・綾歌は教授の云い付けを護りました。・・・この後は・・・)
 教授の事を想い部屋に急ぐ・・あぁ、そこに教授が居る。・・どんな顔をして待っているのだろうか?そればかりが気になる。足の送りが乱れる。
 あぁ・・どうしよう・・・ショーツで守られるべき場所が、悦びの涙を流していた。
 歩き難い、太股を伝わり堕ちたらどうしよう・・・その想いで内股になってしまう。蜜を溢さないように歩く。
 やっと教授の部屋の前に着いた。呼吸を整える。ドアに手を懸け静かに開ける。
 教授の代わりに居たのは大勢の人、皆教授のレッスンを受けている学生達だった。
 どうして?なぜ?
 茫然と立ち竦む私の後ろに人の気配が・・教授と千夏先輩。連れ立って入って来た。
 【今日は君達に、ちょっとしたシュミレーションをしてもらう。本番ではステージ上で君達は歌い演奏する。お客さんは1段低い客席。その客席から君達を見上げるお客様の目線に慣れる訓練をしよう。何でも無い事だと思うかもしれないが、意外と人の視線は気になるものだよ、同じ目線と違う目線、その違いを体感し、定期演奏会の糧としてくれ。】
 教授が示したのは客席に見立てた椅子とステージに見立てた机。その上に立つと椅子に座った人たちの視線は上に向けられる。私が立てば・・あぁ・・スカートの中が見えてしまう。
 教授の貌が微笑んでいる。・・・堕天使の頬笑み。私はその眼に魅入られてしまった。


復帰第1作、如何ですかぁ?PageTopご心配掛けました。m( _ _ )m

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