クロウエア・エクサラダ【26】

 昨夜のうちに夫には部屋を出て行って貰った。
 一人寂しいベッドで泣いた。夫は妻を妻は夫を裏切り信頼が壊れ、そして闇が身を包む。
 香織は夢にうなされ、起き上がると部屋を見渡した。
 サイドボードの上の鉢植えが月明かりに浮かび上がる。
 クロウエア・エクサラダ・・・日本ではサザンクロス。そして花言葉は・・・
 【遠い記憶】健一との楽しい日々が蘇る。
 どうして愛し合った二人が別れなければならないの?心が離れたから?カラダが離れたから?
 あなた・・早智子さんに今度の事を頼んだ時になにを考えていたの?私の事はどうでも良かったの?・・・
 あなた・・私・・どうして一郎さんと関係してしまったか、ずっと考えていたわ。でも判らないの、あなたを愛しているわ。あなたにばれる前は一郎さんを愛してしまった。そう思っていたわ、罪悪感と共に。
 私きっと、気分がハイになって、周りのものが見えなくなっていたと思うの。
 私もあなたを責める資格の無いはずなのに、あなたを責めてしまった。冷静になって判ったの。
 あなたに怒って欲しかった。引き止めて欲しかった。あなたに振り向いて欲しいのよ。
 私の方が悪いの。判っていたわ。あなたがどんな計画を立てていても、私が思うとおりにならなければしなくて済んだ事だもの。
 判っているのよ・・・頭では判っていたの。
 女は頭だけじゃなく、子宮でモノを考える生き物なの。それが良く判ったわ。
 子宮が赤ちゃんを欲しがったの。
 だけどあなたの子を求めなければイケナイのに、違う人の子を求めた私が悪いの。あなたを怒って出て行ってもらった訳じゃないの。
 あなたに申し訳なくて・・こんな私と一緒に居たら、あなた、本当は優しい人だから、違う人の子でも産んで良いと言うかも知れない。・・・そんな事言わせたくない。言わせてしまったら、もう二度とあなたと顔を合わせられなくなる。そんなの嫌だもの。
 いつか許して貰えるかもしれないのに、あなたにそれを言われたら、あなたに戻って来い。と言われても、戻れない、戻ってはイケない事になる。そんなの嫌。
 ごめんね健一。私がしっかりしてないばっかりに、こんな事になって。少し時間を下さい。今でも一郎さんを愛しているのかよく考えて見ます。自分でもどうして良いのか判らないけど、きっと結論を出します。

 香織・・僕は・・君に酷い事をしてしまった。きっとこんな僕を嫌いになったよね。当たり前だよ、自分の妻を他人に抱かせる・・・それは、君の傍に僕がいるから成立した話だよね。目の前で一郎さんに抱かれる君を見てから、、僕は異常に気がついた。
 他人に抱かれる妻のことを考えるととても興奮した。そして堪らなく切なくなる。そのせめぎあいに、狂った。
 誰よりも君を愛しているのに、愛しているから、もっと気持ち良い事を知ってもらいたい。女の悦びを極めてもらいたい。こんな考えに取り付かれた。僕とセックスしても得られない感覚・・・恥じらいを捨てセックスだけに没頭して、何度も何度も絶頂に達し、妖しく乱れるのは僕との間では出来ない。そのスパイスは罪悪感・・僕に悪いと思いながらも抱かれてしまう背徳感、僕にいつかバレてしまうかも知れないと思いながらカラダの欲求に負けてしまう恐怖・・いろいろな感情が君を大胆に変身させると思った。
 そんな君を見てみたい、そんな君を想像すると切ないのに興奮する。愛しい君を寝取られる絶望感が僕を異常に興奮させる。
 
 『あんぁ・・ダメェ・・そこ、汚いから・・あぅ・・舐めないでェ.』
香織の股間に陣取る一郎が、オマ○コを左右に拡げ中まで剥き出しにしている。
 『やぁ・・そこ・・オシッコの出る所・・・舌で突くのヤメテェ・・』
 うぅ・・一郎さん、そんな事までするのか。・・香織・・
 『あんぁぁ・・出ちゃうょぉ・・駄目ったらぁ・・・ダメェ・・漏れちゃうよぉ。』
 ズズッ、ズズッ。オマ○コから淫液を啜る音まで聞こえる。
 (かおりぃ・・僕の時より凄く濡れている。そんなにいいのか?感じているのだな。他の男に舐めさせるなんて・・・)
 光景を思い浮かべ、健一のチ○ポはギンギンに怒張している。
 『あん・・・大きい・・一郎さんのオチン○ン。』
 『そんな・・ぁぁあ・・あなたよ・・一郎さんの方が主人より大きい。』
 (香織ぃ・・大きい方が良いのか。僕のじゃ満足できないのか。)
 健一は倒錯的な思いに打ち震える。実際には健一の方が立派なのだが、香織がそんな事を言っていると妄想している。
 『あなたっ・・イイの・・感じるの・・オマ○コの中・・グチュグチュなのぉ。』
 香織がそんな事を言う筈がないと分かっていても、卑猥な言葉を吐いていると思ってしまう。
 『く、下さい。ねえ、一郎さん・・香織にオチン○ン下さい。して、ねえしてぇ。』
 (ぅぅ・・香織ぃ。僕のじゃないのに欲しいのか。)
 『あなた・・ごめんなさい。我慢出来ないの・・』
 『ぁぁあああ・・イイ・・奥まで来るのぉ・・・もっと、、来て。』
 香織、香織、香織ぃ・・・うぅう・・やったんだな。一郎さんのチ○ポ、オマ○コで銜えたんだな。・・・チクショウ、どうしてだ。どうして他の男のモノ・・おぉ、香織のオマ○コが張り裂けそうだ。大丈夫か・・あぁあんなにピッチリ締め付けて・・僕に見せつけてるのか。出し入れされる度にオマ○コからあんなに汁が・・
 妄想は益々激しくなる、一郎に抱かれる香織を想い、右手を上下に激しく擦る。
 『あっぁう、くる・・きちゃう。イイのオマ○コイイのぉ、ねえ、出して・・出して。』
 ああ香織・・精液をねだるのかぁ・・中で出させるのか・・僕以外の男の精液を膣に入れさせるのか。
 『イク・・イクの・・一緒に・・一緒よ・・出して・・一杯頂戴いいきくぅううう。』
 出したのか・・一郎さん出したのか?香織の中に・・・僕の香織に・・あぁ・・出るぅ
 妄想の中の香織に向って健一は精液を吐き出した。嫉妬に狂った健一は何もない空間に精子をばら撒き、はぁはぁしている。
 あまりの快感に目を瞑る。脳裏に香織の姿が見える。
 大きなお腹を抱え、手をつないで買い物をしている香織と一郎。ソファに横たわる一郎にお腹の音を聞かせている香織、小さな靴下やミトン、産着を並べて微笑む香織、それを一郎が見ている。ベットに並んで寝ている香織と赤子、紙オムツを取り替えている一郎の姿、赤子の耳を片手だけで塞ぎ、ガーゼで体を拭い、首の据わらぬ赤子を抱き抱え風呂に浸かる一郎と赤子を受け取る香織が微笑んでいる。
 (いやだ、いやだ、僕は何て事をしたんだ・・・あれは僕がするんだ・・香織ぃ許してくれ・・一郎の子なんか産むなぁ・・・あの時そう言えば良かったのに・・遅いのかもう遅いよなぁ・・香織ぃ・・僕は俺はお前が好きなんだ・・愛しているんだ・・他の男に抱かれてもお前が愛おしい・・でも、もうもう遅いんだよな。今頃気付いても・・)
 健一は激しい後悔と、嫉妬に涙を流し、香織を想っている。


 あの別れから既に1年が過ぎていた。
 香織からは1度も連絡が来ていない、自分からも出来なかった。この事態を招いたのは自分だった。その自分から連絡をとるのは出来なかった。そうこうしている内に月日が流れ1年が過ぎていた。
 二人で住んでいたマンションは薄暗く静かだ。香織の声、香織の温もりの消えた家は健一にとってもはや我が家とは言えないただの住処でしかない。
 そのマンションも人手に渡そうかどうか思案していた。香織の居ない家に何の未練もなかった。
 ピンポーン!ピンポーン!
 玄関のチャイムが鳴った。リフォーム業者か?健一は思った。
 売りに出す前にリフォームしておこう。香織との痕跡を消しておかなければ、何時までも未練が残る。頼んだ業者が来たのかと思った。見積りをしてもらうため呼んでいた。
 のぞき窓から確認する。
 【!!!】
 そこには一人の女性が何かを抱きかかえ立っていた。
 片手で何かを抱き抱え、もう片方に荷物を持っている。
 それは赤子を包むショールだ。もぞもぞ動いている。そして・・・香織だった。
 あまりの衝撃に、健一は玄関に崩れ落ちてしまった。
 現実に子供を抱いて立っている香織を見て健一は終わったと思った。
 ほんの少し、かすかな望みが脆くも崩れ去ってしまった。
 あの時まだ妊娠していないと言っていた香織の言葉にホッとしていた自分が居た。そしてこのまま妊娠しないでくれと望んでいた。
 だが・・・健一はノロノロと起き上がり、ふるえる手でドアノブに手を懸け、鍵を開けチェーンロックを外した。
 『・・・こんにちは、健一さん。お久しぶりですね。』
 他人行儀な挨拶に、涙が出そうになる。
 【あ、ああかおり・・】
 『ねえ、入れて下さらないの?荷物が有るから持って下さらない。』
 目で示されたのは手提げ袋に入れらた紙おむつにウエットティシュの箱、替えの肌着らしきもの。そのどれもが健一の涙を誘う。
 リビングのソファーに女の子を抱えた香織が座る。
 『健一さん見て。かわいい女の子でしょう。一郎さんに目元が似ているでしょう。』
 残酷な言葉。
【その子・・・一郎さんの?】
 『そうなの、もう1歳を過ぎたわ。立って歩くのよ。』
 香織の一言一言が胸に突き刺さる。
 もう止めてくれ・・・香織・・・判ったから・・・
 『あのね・・・私あれからずっと考えていたの。・・・・こんなに永く連絡もしないでご免なさい。・・・わたし・・・やっぱりあなたを愛している。お願い、一緒に暮らしましょう。もう一度やり直してください。』
 【・・・でも・・・その子・・】
 『ああ、一郎さんの子。この子は関係ないわ、私達の事を話しているのよ。ねえ。』
 どうしてそんな事が言えるんだ。その子は君と一郎さんの子だろう。その子を僕たちで育てると言うのか。
 『健一さん。別れたあの日水を欲しがったの覚えている?』
 【水?】どうして?その事が今話題に上げる事なのか?
 『お薬を飲んだの。・・・モーニング・アフターピルよ。』
 【え?・・・だってこの子?】
 『だから一郎さんの子よ。』
 【君と一郎さんの子なんだろう?】
 『一郎さんと早智子さんのね、子供よ。私じゃないわ。・・・ゴメン、あなたをチョット懲らしめてあげたかったの。子供が居るような振りしたの。』
 【・・・よかった。・・・香織ぃ・・・良かった・・・そうかそうか・・・】
『あなた・・・痛いわ。』
 健一が香織をギュッと抱きしめていた。
 『愛しているわ・・・ゴメンなさい。あなたを一番愛している。』
 健一は絶望の淵から救われた思いで一杯になりながら、強く香織を抱きしめた。
 どちらからともなく,口づけを交わす。お互いの背中を摩り、相手を確かめるように抱擁している、香織と健一。
 【香織・・・もうあんなことしない。僕が間違っていた。君を悦ばすのも僕でなければ意味がないと気付いた。この1年後悔のし通しで辛かった、寂しかった。もう一度夫婦になろう。】
 『はい、あなた・・私もあなたの赤ちゃん欲しいわ。ねえ良いでしょう?』
 【うん、うん。僕の子を産んでくれ。】
 ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
 なんだ?
 しぶしぶ、玄関に行く。リフォーム業者だった。
 【すみません、あの話キャンセルして下さい。】
 「はあ?・・・こっちも忙しいのに、困りますよ。」
 【すみません。】
 急いで香織の所に戻った。そして抱きしめキスをする。
 今度の事で再認識した、やっぱり香織を愛している。
 ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!
 『あ、いけない・・・早智子さん達一緒に来たのを忘れていたわ。』
 慌てて、玄関に向かう香織を見送りながらさっきの香織の言葉を反芻する。
 【僕を一番愛している。か・・・それって・・一番が居るってことは、二番も居るってこと?まさかな・・・はは・・・考えすぎだよな。】


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